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フケが出る原因と対策について解説!フケが増えるのは乾燥のせい?

「毎日シャンプーして清潔にしているのにフケが出る」とお悩みの方も多いでしょう。フケには乾性フケと脂性フケの2種類があり、さまざまな原因があります。

放置するとかゆみや発疹を伴う脂漏性皮膚炎を引き起こす可能性も。

フケの症状がおさまらない場合は皮膚科を受診して適切な治療を受ける必要があります。フケ対策として、洗髪方法の見直しや頭皮ケアなどのセルフケアも有効です。

ここからはフケが出る原因や考えられる病気、フケの予防法について詳しく解説します。

フケって何なの?フケが増える原因と対策

フケとは古くなった頭皮の角質のことで、皮膚のターンオーバーによって頭皮から剥がれ落ちる老廃物です。

ターンオーバーが起こると古い角質が押し出され、フケとなって目につくようになります。

フケが出る原因は頭皮環境の乱れです。頭皮の皮脂量や常在菌のバランスが崩れると、ターンオーバーが遅れてフケが増えるというメカニズムです。逆に頭皮環境が整っている状態ならフケは目立ちません。

フケの原因

フケの主な原因は頭皮環境の乱れや病気、シャンプーのし過ぎです。

頭皮の病気のなかでも脂っぽく黄みがかった色のフケが出る場合は、脂漏性皮膚炎の可能性があります。

脂漏性皮膚炎とは、マラセチアと呼ばれるカビ菌によって起こる皮膚炎で、脱毛の原因にもなる病気です。

また、洗浄力の強いシャンプーや、1日2回以上の過剰なシャンプーで、頭皮の保湿力が失われ、乾燥してフケが出ることもあります。

もともと乾燥肌の人が皮脂を除去するタイプのシャンプーを使用した場合も、フケが発生しやすくなります。

誤ったヘアケアや、過度なシャンプーがフケを増やす原因にもなるため注意してください。

更に、ストレスがフケの原因になることも考えられます。強いストレスを受けると自律神経が乱れ、血流が悪くなり正常に新陳代謝が行われなくなります。

かゆみを伴う場合は無意識に掻きまくり、頭皮を傷つける可能性も。

フケは包皮にも悪影響を及ぼし、抜け毛や薄毛の原因にもなるため、早めに対策することをおすすめします。

フケの種類

フケは古くなった角質が剥がれ落ちたもので、大きく分けて乾性フケと脂性フケの2種類があります。

ここからは乾性フケと脂性フケの特徴について詳しく解説します。

 乾性フケ脂性フケ
特徴・白色
・パラパラした粉のようなフケ
・水分が少なくパサパサしている
・頭皮から落ちやすく衣類に付着しやすい
・黄みがかった色
・毛穴を塞ぐほど大きい
・水分が多くベタベタしている
・頭皮や頭髪にはりつく
原因・頭皮の乾燥
・過剰なシャンプー
・過剰な皮脂分泌によるマラセチア菌の増殖
・シャンプーのすすぎ残し
なりやすい人乾燥肌の人皮脂の分泌量が多い人
なりやすい時期秋から春にかけて梅雨の時期から夏にかけて
対策・シャンプーは1日1回まで
・頭皮に優しいアミノ酸系シャンプーを使用する
・皮脂汚れが残らないように頭皮を中心に洗髪する
・シャンプーが残らないように念入りにすすぐ

・乾性フケ

乾性フケは細かくカサカサしているのが特徴で、頭皮の乾燥が原因で発生します。頭皮が乾燥している人は皮脂の分泌量が少なく、ターンオーバーが早まり成長し切れていない角質がフケとなって現れます。

皮脂の分泌量が減る原因には以下のようなものが挙げられます。

  • 加齢
  • 紫外線ダメージ
  • 加齢
  • ストレス
  • 生活習慣の乱れ

乾性フケは頭皮が乾燥しやすい秋から冬にかけて発生することが多く、もともと乾燥肌の人も生じやすいといえます。

乾燥すると頭皮が敏感な状態になり、炎症を起こしやすくかゆみを伴うこともあります。

・脂性フケ

脂性フケは毛穴を塞ぐほど大きくベタベタしているのが特徴で、皮脂の過剰分泌が原因で発生します。

皮脂の分泌量は性別によって異なり、男性は10代に分泌量が増え始め、60代までその状態が続きます。

女性も10代から皮脂の分泌量が増え始めますが、30代をピークにその後は次第に減少していきます。

年齢以外に皮脂量が増える原因には以下のようなものが挙げられます。

  • 季節要因
  • ホルモンバランスの乱れ
  • 生活習慣
  • ストレス
  • 誤ったヘアケア

これらの要因で皮膚の常在菌のマラセチアが繁殖し、ベタベタした黄色っぽいフケが発生します。菌の増殖はフケ以外に臭いやかゆみ、炎症を引き起こすリスクも。

また、脂性フケは頭皮に付着しやすく、毛穴を詰まらせることで抜け毛の原因にもなります。

フケを伴う頭皮トラブル

フケがなかなか改善されない場合や、フケ以外にかゆみなどの症状がある場合は病気が原因の可能性もあります。

フケが治らないときに考えられる病気には以下のようなものがあります。

  • 乾癬
  • 白癬
  • 乾燥性湿疹
  • 脂漏性皮膚炎
  • アトピー性皮膚炎
  • 乾癬

乾癬(かんせん)は免疫系機能に異常が出て、皮膚の腫れや湿疹が生じ、フケのような白いかさぶたができる病気です。

白いかさぶたは鱗屑(りんせつ)と呼ばれるもので、剥がすと点状の出血を伴うのが特徴です。

乾癬は外部からの刺激を受けやすい頭皮やひざ、ひじにできることが多く、かゆみや赤みを伴うケースが多いです。

・乾癬の治療方法

乾癬の原因として、自己免疫疾患や遺伝、ストレスが影響していると考えられています。症状を悪化させないために、肌への刺激を軽減することが大切です。

肌が乾燥しないように、保湿を心がけましょう。

医療機関では塗り薬や飲み薬による治療をはじめ、注射や光線療法が行われます。活性型ビタミンD3製剤で肌のターンオーバーを正常に戻し、ステロイドで炎症を抑えます。

塗り薬で改善されない場合は飲み薬が処方され、症状によっては注射や光線療法を取り入れることがあります。

・白癬

白癬(はくせん)とは、カビの一種でもある白癬菌に感染することで生じる病気で、スポーツジムや温泉など、公共の施設での感染が多くみられます。

頭皮に発症すると、カサカサしたフケのような症状が現れます。頭皮を掻いて傷ができると症状が悪化し、大きな皮疹や膿を伴うこともあります。

【白癬の治療方法】

白癬は感染の恐れがあるため早めに治療する必要があります。

医療機関では抗真菌薬のテルビナフィンやイトラコナゾールが処方されるのが一般的です。皮疹や膿などの炎症が起きている場合は、傷跡が残らないように一時的にコルチステロイドが処方されることもあります。

・乾燥性湿疹

乾燥性湿疹は肌の乾燥が悪化し、かゆみや赤みなどの炎症を引き起こす皮膚疾患です。顔や体のほか頭皮にも発症する可能性があり、頭皮に発症すると湿疹やフケも発生します。

【乾燥性湿疹の治療方法】

乾燥性湿疹を防ぐためにも、日頃から頭皮が乾燥しないようにケアしましょう。洗浄力の強いシャンプーの使用は控え、育毛剤などのローションで頭皮を保湿するのがおすすめ。また、室内が乾燥しないように加湿器を使用するのも効果的です。

医療機関では塗り薬や内服薬が処方されます。かゆみや赤みを抑えるためのステロイドや保湿用の外用薬のほか、塗り薬だけでは症状が治まらない場合は、抗ヒスタミンの内服薬が処方されます。

・脂漏性皮膚炎

脂漏性皮膚炎は生活習慣の乱れやストレス、不十分な洗髪による皮脂の過剰分泌が原因で起こる皮膚疾患です。白っぽいかさぶたや大きなフケが出るのが特徴で、額の生え際に赤い湿疹ができることもあります。

【脂漏性皮膚炎の治療方法】

脂漏性皮膚炎は皮膚科で治療を受ける必要があります。マラセチア菌を殺菌し繁殖を抑えるケトコナゾールやミコナゾール外用薬が処方されるのが一般的です。

ステロイド成分が配合されていない市販の抗ヒスタミン外用薬は安全に使用できますが、長期的に使用すると、かえって頭皮の状態が悪化する可能性があるため注意が必要です。

また、ステロイドが含まれた外用薬は脂漏性皮膚炎の改善に有効ですが、こちらも長期的な使用には注意が必要です。

皮膚の抵抗力が下がり、菌が増殖して症状が悪化することも。いずれにせよ市販薬には副作用のリスクがあるため、まずは医療機関を受診することをおすすめします。

・アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎は慢性的な皮膚疾患で、かゆみを伴う湿疹が繰り返されます。肌のバリア機能が低下し、外部からの刺激に弱く炎症が起こりやすい状態になっています。

頭皮にアトピー性皮膚炎を発症するとフケやかゆみの症状が出て、長引くと色素沈着することも。アトピー性皮膚炎が疑われる場合は、皮膚科で適切な治療を受けることが大切です。

【アトピー性皮膚炎の治療方法】

アトピー性皮膚炎の治療には外用薬が処方されます。ステロイド外用薬で皮膚の炎症を抑え、保湿外用薬でバリア機能の低下を防ぐのが一般的です。

外用薬だけでは症状が改善されない場合は、内服薬や注射による治療を行うこともあります。

フケを減らすための対策・予防法

フケ対策として、肌に優しいシャンプーを使用し、正しく洗髪することが大切です。また、食生活や睡眠など、生活習慣を見直すことで頭皮環境が整い、フケの予防につながります。

ここからは、フケを減らすための対策・予防法について詳しく解説します。

・肌に優しいシャンプーを使用する

頭皮の乾燥を防ぐために、低刺激のシャンプーを使用しましょう。

洗浄力が高すぎるシャンプーはすっきりした洗い上がりになりますが、頭皮の乾燥を加速させてしまうリスクがあります。

逆に、洗浄力が弱すぎるシャンプーを使用すると、余分な皮脂を落とすことができず、脂性フケが出る原因になることも。

特定のシャンプーでフケが発生する場合は、肌に合っていない可能性があるため、ご自身に合ったシャンプーを探してみましょう。

・洗髪方法を見直す

正しく洗髪できていなければ、頭皮環境が悪化しフケが出る可能性があります。

汚れを落とすために強くこすると皮膚が傷つき、頭皮トラブルにつながる可能性も。頭皮に負担をかけないためにも、以下の方法で洗髪してください。

  • シャンプーを手のひらに取り泡立てる
  • シャンプーの泡で頭皮をマッサージするように洗う
  • 38℃のぬるま湯で十分に洗い流す

指の腹を使って頭皮を優しく洗い、十分に洗い流すことが大切です。洗い過ぎはかえって頭皮の乾燥を招きバリア機能が低下するため、洗髪は1日1回までにとどめましょう。

・正しく髪を乾かす

髪の乾かし方にも注意が必要です。近い距離でドライヤーを使用すると頭皮に負担がかかり、フケが発生する原因になります。

また、自然乾燥は常在菌が繁殖しやすくなるため避けましょう。

洗髪後はタオルで髪の毛の水分をしっかり吸い取り、ドライヤーは髪の毛から10cmほど離して使用しましょう。根元を中心に乾かすのがポイントです。

・頭皮を保湿する

洗髪後の頭皮は乾燥しやすいため、適切に保湿ケアすることが大切です。

保湿成分の含まれた低刺激のローションを頭皮に馴染ませましょう。

・加湿器を使用する

室内の乾燥を防ぐために、加湿器を使用するのが効果的です。皮膚にとって最適な湿度は40~60%です。空気が乾燥していると頭皮の水分も奪われやすくなるため、加湿器を使用して湿度を調整しましょう。

加湿器を使用する代わりに、室内に洗濯物を干すのも手軽な乾燥対策になります。

・頭皮マッサージする

頭皮マッサージで血行を促すことで、頭皮環境を整えることができます。

指の腹を使って気持ちいい程度の力で指圧するのがポイント。お風呂上がりなどのリラックスタイムに、ゆっくり時間をかけてマッサージしましょう。

・生活習慣の改善

食生活や睡眠など、生活習慣の乱れでホルモンバランスが崩れ、皮脂が過剰分泌し脂性フケを発生させます。

バランスのよい食生活や質の高い睡眠、適度な運動を取り入れてストレスを溜め込まないようにしましょう。

・ビタミンB2・B6を積極的に摂る

ビタミンB2やB6を含む食品を意識して摂取することでフケを予防できます。

これらの栄養素が不足すると肌のターンオーバーが乱れ、フケが発生しやすくなります。ビタミンB2は皮脂のバランスを整え、皮膚や粘膜を健康な状態に維持する働きがあります。また、ビタミンB6は肌のターンオーバーを正常に戻す作用があります。

バランスよい食事を心がけ、ビタミンB2・B6を含む食品を意識して取り入れるようにしましょう。食事だけで摂取するのが難しい場合は、サプリメントで補うのもおすすめです。

ビタミンB2を多く含む食品・卵
・豚レバー
・鶏レバー
・牛レバー
・うなぎ
・牛乳
・アーモンド
・ブロッコリー
・マッシュルーム
ビタミンB6を多く含む食品・玄米
・レバー
・カツオ
・マグロ
・サンマ
・バナナ
・ししとう

・薬用シャンプーやローションを使用する

フケや頭皮のかゆみを抑えるために、薬用シャンプーやローションを使用するのもおすすめです。

薬用シャンプーにはマラセチア菌の増殖を抑え、皮脂を除去する作用のある成分が含まれています。また、かゆみを抑える抗ヒスタミン成分が配合されたタイプもあります。

乾性フケの場合は、乾燥肌用のシャンプーを使用しましょう。また、血行不良が原因で乾燥を引き起こしている可能性もあるため、血行促進作用のある成分が含まれたローションを使用するのもよいでしょう。

フケやかゆみに有効な成分は以下のとおりです。

作用特徴成分
殺菌・抗炎症原因菌の増殖を防ぎ炎症を抑える・ピロクトン オラミン
・ミコナゾール硝酸塩
・ジンクピリチオン
・グリチルリチン酸ジカリウム
・ヒノキチオール
血行促進血管を拡張し毛母細胞を活性化させる・トコフェロール酢酸エステル(ビタミンE) ・センブリ
抗ヒスタミンかゆみを抑える・ジフェンヒドラミン塩酸塩
清涼すっきりとした清涼感を与え、かゆみを抑える・l-メントール

・症状が改善されない場合は医療機関を受診する

生活習慣の改善やヘアケアでフケの症状が改善されない場合は医療機関を受診しましょう。

フケの原因や症状には個人差があります。フケ以外にかゆみや発疹などの症状があれば、治療が必要になるケースもあります。放置すると悪化し、別のトラブルにつながる可能性も。

フケは原因や症状に合わせて対処する必要があるため、医療機関を受診し適切な治療を受けましょう。

フケの原因・対策に関するよくある質問

【Q.】かゆみを伴わないフケの原因は?

かゆみを伴わないフケの原因として以下のようなことが考えられます。

  • 皮脂不足による頭皮の乾燥
  • 加齢による頭皮の乾燥
  • 過剰なシャンプー
  • 紫外線によるダメージ
  • シャンプーが肌に合わない
  • フケの原因菌の増殖
  • フケが出やすい体質ってある?

体質的にフケが出やすい人がいます。

以下に当てはまる人はフケが出やすいといえます。

  • アトピー体質
  • 皮脂の分泌量が多い
  • 乾燥肌

アトピー体質の人や皮脂の分泌量が多い人、乾燥肌の人はフケが出やすい傾向にあります。これらに該当する人は、低刺激のシャンプーを使用し頭皮を保湿するなど、念入りにケアしましょう。

【Q.】大きなフケが出る原因は?

大きなフケが出る原因はシャンプーのすすぎ残しや皮脂の過剰分泌です。

これは日々のケア方法の見直しで改善できるケースもあります。シャンプーはすすぎ残しがないようにしっかり洗い流しましょう。

ヘアケアの見直しでフケが改善されない場合は、皮膚の炎症など、別の原因が潜んでいる可能性があるため医療機関を受診しましょう。

【Q.】頭皮の日焼けによるフケの対処法は?

日焼けによる頭皮ダメージは、専用のローションで保湿し、皮膚のバリア機能を高めるケアが有効です。

日焼け予防のためにも、外出時には日傘や帽子を活用しましょう。

【Q.】ブリーチした後にフケが出るのはなぜ?

ブリーチ後にフケが出る場合は、ブリーチ剤が頭皮の負担になっている可能性が高いです。

ブリーチを控えるのが一番ですが、必要であればブリーチ後に保湿ローションを使用して頭皮ケアを徹底しましょう。また、低刺激のシャンプーに切り替えてください。

【Q.】フケは自然治癒する?

フケを放置するとフケ症が進行し、頭皮の炎症や薄毛の原因になる可能性があります。

自然治癒することはないため、頭皮環境を整えるヘアケアで対策する必要があります。かゆみや赤みがある場合は、医療機関を受診して医師の診察を受けることをおすすめします。

【Q.】フケを放置するとどうなる?

フケを放置するとかゆみや抜け毛を引き起こす可能性があります。また、見た目も不衛生になり、仕事やプライベートに悪影響を及ぼすこともあるでしょう。

フケが出るのは頭皮環境が乱れている証拠です。まずは原因を突き止め、セルフケアで対応できない場合は医療機関を受診しましょう。

【Q.】頭皮の乾燥対策にヘアオイルは有効?

頭皮の乾燥対策にヘアオイルが有効なケースもあります。

ヘアオイルを頭皮に浸透させることによって、頭皮に必要な潤いが与えられるため、乾性フケに悩む人におすすめです。

ただし、頭皮への使用が不向きなヘアオイルもあるため、保湿に適しているかどうか確認したうえで使用しましょう。

【Q.】中学生や高校生でフケが出るのはなぜ?

中学生や高校生でフケが出る原因として、第二次性徴にともなうホルモンバランスの変化が考えられます。

特に男性は第二次性徴期に男性ホルモンの分泌量が増えるため、皮脂が過剰分泌され脂性フケが出やすい傾向にあります。

また、中高生になって夜更かしする機会が増えると睡眠時間が短くなり、ターンオーバーの乱れによりフケが出やすい頭皮環境になることも原因のひとつです。